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キャリアコンサルタントが果たすべき役割と課題

※過去のコラムの転載です。

私は、キャリアコンサルタントの国家資格を取得していますが、キャリアについての学びを続けていく中で、キャリアコンサルタントの役割って大事だなという想いを強くするのと同時に課題も感じるようになってきましたので、今回はそのことについて書いてみようと思います。

まず、キャリアコンサルタントが果たすべき役割は、身近なところで言うと、「相談者が自分らしい生き方・働き方を選択できるように支援すること」。そして、社会的には、「キャリアコンサルタントの認知度を上げ、キャリアコンサルティングの重要性を理解してもらうこと」だと考えます。

働く場では、このような悩みが挙がっています。
新入社員の環境不適応、中堅社員ではキャリアに対する迷い、中高年ではライフイベントや職場環境の変化による戸惑いや悩み、また、女性特有の結婚・子育てと仕事の両立の悩み、多様性が受けいれられないこと、パワーハラスメントに起因するもの等々。
それぞれの悩みが原因での不適応から始まるメンタル疾患や離職を防ぎ、誰もが生き生きと自己効力感を持って働けるように支援することがキャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)の大まかな役割だと考えています。

しかし、キャリアコンサルタントのスキルや知識があったとしても、大前提として、相談者とのラポール(信頼関係)を築くことが重要で、ラポールを築けないとキャリアコンサルタントの役割は果たせないものだということも感じております。つまり、「安心安全な場づくり」がキャリアコンサルタントに求められていると言えます。

もう一つの重要な役割として、社会的にキャリアコンサルタントの重要性に対しての認知度を上げることが必要です。しかし、現状ではキャリアコンサルティングの効果の認知度が高くないために必要性を理解してもらえていません。その結果、企業(組織)内でのキャリアカウンセリングを含むセルフキャリアドックが普及していない原因になっているのではないかと思います。

特に課題として挙げられるのは、社員の「自律的・主体的なキャリアを促すことは離職・転職につながる」という誤った認識で捉えている企業(組織)・人事担当者が少なくないこと。そのために、企業(組織)にキャリアコンサルティング等が浸透しない一因となっていると考えられます。

キャリアコンサルティングを導入することで、会社へのエンゲージメントを高められる可能性が高いことは、研究などでも明らかにされてきているのにもったいない」というのは、キャリアについて学んでいる人の共通認識でもあります。

それを打開できるのは、労働組合の取り組みではないかと考え、今後も引き続き探究していきたいと思います。みなさんは自律的・主体的なキャリアを描けていますか?