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クリティカルシンキングとキャリア自律

※過去のコラムの転載です。

先日、「だまされる心の心理学」~思い込みに陥らないためのクリティカル・シンキング~ というセミナーを受講しました。

クリティカル・シンキングとは、批判的思考とも言われていますが、「批判」とは否定の意味ではなく、情報を経験や直感を鵜呑みにせず、客観的思考で多面的・内省的に考えて偏った見方を修正していく思考の技術と態度です。

人は、経験や直感で物事を判断してしまいがちです。例えば、
『〇〇を食べたせいでお腹が痛くなった。』
『凄くあたる手相師にみてもらったらホントにあたってた。』
『〇〇のサプリメントを飲んでるから症状が良くなった。』
など、だいたいは誰かの経験から語られています。私たちの認知は思い込みからできていて、現実を歪める「癖」があります。

この話を聴きながらキャリア自律にも関係があるな。と思いました。例えば、
『A企業で働いてるBさんは、将来、アメリカの事業所で働きたいと思い、
ビジネス英語教室に通い、ある程度通じるくらいにマスターしました。
「英語をマスターしたからアメリカの事業所に行ける」と思い込みました。』
でも、英語をマスターしたからといって、すぐに事業所への転勤なんてそんなに都合の良いチャンスは中々うまくは回ってきません。そうなると、せっかく学んだ英語に対する学習の意味をだんだん感じることができなくなり、やる気が薄れてきてしまいモチベーションが下がっていってしまいました。
そしてせっかく学んだビジネス英語教室へもだんだんと足が遠のいてしまいました。

Bさんは「懸命にビジネス英語を学んだからアメリカの事業所で働ける。」という認知で現実を歪めてしまい、英語に対する学習の意味が感じられなくなってしまったのであれば、一度、自分自身を客観的に見て、仕事以外で英語を使うチャンスを生かし続けることで、自身のキャリアを開いていけるのではないかと思いました。

また、将来アメリカの事業所に行きたいと思うなら、ビジネス英語以外に必要とする学びがあるかもしれないと考え、間接的にでも何かしらその事業所に関わる仕事内容にかかわるような機会を自ら行動することで自身の今後のキャリア自律に結び付くのではないかと思いました。

客観的思考(多面的・内省的に考えること)で偏った見方を修正していく思考の技術と態度=クリティカル・シンキングですね!

クリティカル・シンキングの最も重要な要素の一つには、認知の働きを自覚的にとらえ、適切に制御(客観的にとらえる)していく【メタ認知】が大切です。