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心理的安全性の高い職場と雑談だけ職場の違い

※過去のコラムの転載です。

産業カウンセリングの冊子で「心理的安全性」について記載されていました。最近「心理的安全性」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。

その概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究しているエイミー・エドモンドソン教授です。
エドモンドソン教授はこの概念について「チームにおいて、他のメンバーや自分が発言することを拒絶などしないという確信をもっている状態」と定義しています。

もう少しかみ砕くと…
職場で上司や同僚の意見を恐れたり恥ずかしがったりせずに、チーム全員が気兼ねなくありのままの自分の意見を言い合える状態。そしてそのような行動によって、チームの対人関係が損なわれない状態。

平たく言うと…
「職場の中でなんでも話せる安心感。」でしょうか。

大手転職サイトの調査で、今の職場で心理的安定性が【ある・どちらかといえばある】と答えた人は45%、その理由を聞いたところ圧倒的に多かった回答が「他愛のない雑談ができるから」で75%でした。上下関係や忖度無しの雑談ができる環境が心理的安全性に大きく影響しているのですね。

また、離職率についてもコロナ禍にある昨今、離職意向がある人の4人に1人は心理的安全性が低い。という結果が示されています。職場でのトラブルや負荷がかかる状況になったときに相談して協力しあえる「助け合いの組織」であることが、離職の軽減につながっているようです。

しかし、社内の人間関係は比較的良くて信頼し合いながら働いていますが、仕事に対して要求する基準が低い職場もあります。
人間関係の対立や衝突が少ないため、心理的安全性が高いと勘違いしてしまうこともあるかもしれません。

職場の人間関係が良いことはとても素晴らしいことですが、
・成果にコミットする会話
・仕事の基準に対して高いものを求める会話

が、少ない環境の場合には「雑談だけ職場」になってしまいがちです。

そうならないために、「雑談するすることで仕事上の議論も無理なくでき、その場から生まれるヒントや解決策もたくさん浮かんできて、いざというときに助け合いができる職場」が理想的な働く環境なのかもしれませんね。