副業・兼業について(2)
前回は副業・兼業の現在の状況と効果について概要をお伝えしました。
今回は副業・兼業の方向性についてお伝えします。
副業・兼業の促進の方向性
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、人生 100 年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていく必要性と社会全体としてもオープンイノベーションや起業の手段として有効性があるとするものの「副業・兼業は、労働者と企業それぞれにメリットと留意すべき点がある」としています。
労働者のメリットと留意点
<メリット>
離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。
所得が増加する。
本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。
<留意点>
就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。
1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要である。
企業のメリットと留意点
<メリット>
労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
労働者の自律性・自主性を促すことができる。
優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
<留意点>
必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である。
詳しくは、副業・兼業の促進に関するガイドライン(PDFが開きます)をご覧ください。https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf
次回は 副業・兼業について(3)で事例を紹介します。