キャリアを身近に考える
※過去のコラムの転載です。
「アッサーパパへ 仕事の事で良かったら話を聞いてください!」
アッサーとは私の次男のニックネーム、LINEの送り主は次男の幼馴染、昨年4月に大手家電量販店に就職した社会人一年生です。どうやら何か悩みを抱えているようで、早速、近所の焼き鳥屋で面談の運びとなりました。
開口一番
D君)「聞いてくださいよ!昨年末のボーナスが◎ヶ月しかなかったんすよぉ~」
私)「そうかぁ~、一年目から期待してたんだよなぁ~」
D君)「販売業なんで土日が休めず学生時代の仲間とも会えませんし、わかってはいたのですが辛いですよぉ~、転職を考えちゃいますよぉ~」
私)「そうかぁ~、寂しい思いをしているだよなぁ~」
※大手家電量販店に入社した彼は、なんでも同期数百名の中でも全国で5番目に入る営業成績を上げているとのこと。聞けば、陰ながら独自の顧客名簿を作成しダイレクトメールを発信したり、店内の歩数と売上に相関があるとのことで、一日の歩数目標を自分で設定したり、相当な努力をしているとのことです。(小学校時代から知る私は、ある意味驚きを覚えました!!!あのボンヤリしていた彼が、、、と)
私)で、これからの仕事について、どんな風に考えているの?
Ⅾ君)いやぁ~、それより聞いてくださいよぉ~、父親と上手くいってないですよぉ~!
※就職前から父親と意見が食い違い、就職後も独立して生活している彼は、父親に会えば仕事の事で対立しているとのこと。大手不動産会社の役員まで務めた彼の父親を知る私からすると、D君の仕事っぷりは父親譲りで立派だと感じ、その事をD君に伝えると改めて父親との関係を見直したようで、表情が変わっていくのが手に取るように解りました。
D君)それより、人生初の彼女ができたんですよ!昨年末に3度目の告白したら見事にオッケーもらいました(笑)
私)おぉー、それはおめでとう!
D君)今年の4月に入社する会社が、大手メガネチェーン店でサービス業ですから彼女とも休みを合わせやすく、楽しみなんです!
私)じゃあー、今の会社で当分頑張ってみようか
D君)ハイ、実はそのつもりです!
※あれから1か月、その後の進捗は聞いていませんが、彼女と円満に交際が続いていくことを祈るばかりです。
本来であればこのような人生全般に関わる話しは、近い立場の親や友達、会社の先輩・同僚が聞き手となるのでしょう。しかし現実は、誰もがそのような聴き手に巡り合わないものです。
組合員にとっての聴き手として、組合役員や委員が担ってもらいたいと改めて感じることができる経験でした。
また、特に労働組合としてはキャリアというものを仕事に限定せず、人生全般と捉えながら考えてみることが大事だと考えさせられます。
「ライフ・キャリア・レインボー」を提唱したアメリカの教育学者ドナルド・E・スーパー博士が提唱したキャリア論では、人生のフェーズを年代別に成長・探索・確立・維持・下降段階に分け、それぞれに「子供」「学生」「余暇」「市民」「職業」「配偶者」「家庭人」と7つの役割を立場によって使い分けていると説明しています。
D君の面談内容を7つの役割で整理してみると、
① 子供(父親との関係性を仕事起点で改善していく)
② 学ぶ人(独自で学び仕事で成果を出す)
③ 余暇を楽しむ(まさに彼女との関係(笑))
④ 市民(家電量販店で地域の顧客に貢献している)
⑤ 働く人(今の仕事を続けながら働きがいを見出す)
⑥ 配偶者(これは、まだ先でしょうが③次第です(笑))
⑦ 親(これもまだ先の話で③⑥次第です(笑))
このように整理できました。
D君が、人生を虹色で完成させようと、明るく前向きに歩んでくれることを話を聴くことしかできませんが、陰ながら応援し続けます。